西洋バラの塗り絵は、塗るとジワジワ優雅な気持ちになる

大人が楽しむ塗絵

植物画家ピエール・ジョセフ・ルドゥーテの、数あるバラの絵画の中から、西洋のバラの塗り絵をチャレンジしてみました。

 

『大人が楽しむ塗絵(ルドゥテの花)』

キャべジローズ(西洋薔薇)

花形がカップ状の大きなバラの塗り絵です。気持ちをリフレッシュしたくて上品で大胆な構図の塗り絵を塗ってみました。(↑上図は塗り絵例)

 

原画風に塗ってみる

描き方の解説

 

ここでは水彩色鉛筆を使いましたが、色鉛筆だけで塗り、今回、筆を使って水彩絵の具のように画面をぬらして色をのばす塗り方はせずに、いたってシンプルに塗ってみました。

 


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花の下塗りは3パターンに分けて塗ると塗りやすい

最初にバラの丸い花のかたまりから全体の色合いをとらえながら塗りました。

花の形が大きな作品なので、見本をよく見ながら、花びらの外側から一枚ずつ薄いピンク系の同系色で下塗りをします。

花びらの外側とその周りを塗り、徐々に中央の花びらを濃い目に塗り、3パターンの色調に分けて塗ると形がつかみやすくなります。

 


厚めの葉は下塗りで凹凸をつけてボリューム感を出す

葉も花と同様に、緑系の同系色でうすめにボリュームや形をとらえながら一枚ずつ下塗りをします。

それぞれの葉には均一な幅で脈がいくつもあります。

その脈にそってゆるやかな凹凸があるので、葉の色に強弱をつけることで明暗を感じられるようボリューム感を出していきます。

 



中央の花びらは周りより濃淡を強調して塗りメリハリをつける

花びらの数がいく層にも多く重なっているので、原画をよく見て一枚ごと形を確認しました。

中央の花びらになるほど重なりも密集して複雑になり、形がつかみずらくなります。

その場合の塗り方のコツとして、小さな花びらの線画の先端部分は輪郭にそって明るめに薄く塗り、それ以外の花びらの面は濃い目に塗ることで、重なっていても一枚ずつはっきりと見えるようにします。

それでいて中央付近の赤の濃淡は外側や周辺の花びらより濃く深い色なので、花びら全体に色の強弱でメリハリを付け、花形の存在感を高めていきました。

 


葉の陰影は花びらの濃淡に合わせ画面を引きしめるように塗る

葉の仕上げは、3の花びらの色の濃淡に合わせて濃い目に塗るようにしました。

塗る時のコツは、葉の輪郭や中央の筋、陰影等を部分的に濃い色で強調して塗ると、葉全体が引きしまり画面にメリハリがつきます。

さらに、うすく塗った下塗りの上から、濃い目の緑色で重ね塗りをすることで凹凸感を増していき、画面全体を引きしめていきます。

 

(完成)

 

たとえば白いフレームに収めて飾ると、塗り絵の印象がぐっとあがり自分の作品になります。

 

気分を変えてアレンジしてみる

(油性色鉛筆/水彩色鉛筆を使用)

見本とはまた一味違う、さっぱり柔らかな作風に仕上げてみました。

イメチェンして黄色い花にチャレンジです。

赤色系の花とは雰囲気がガラッと変わり、落ち着きのある開放的な色合いにしました。

 

(完成)

 

アレンジした塗り絵は、塗り絵本に同じ塗り絵柄が2枚付いているので、気分を変えてもう一枚、今度はちがう雰囲気で塗ってみよう、という時に使えるので、2度楽しめるお得感があります。

感想:難易度が高い塗り絵、でも上品さと達成感がある

ルドゥーテのバラの作品を代表するような、いかにもバラの花らしい構図の絵なので、花の塗り絵では一度はチャレンジしたくなる素晴らしいと作品です。

それもあり、色を塗り進めていくと、ジワジワと優雅な気分になってきて、花びらからバラの香りさえ漂ってくるように感じるような気分になりました。

ルドゥーテの花の観察とその描写力、繊細な再現性の質の高さが感じられる作品だからと思いますが、その花を愛する気持ちが塗り絵を塗りながらも感じられました。

それと、バラの花形がびっしりと詰まったカップ咲きのボリュームで、まるでキャベツのように何層にも重なっており、花びらだけ見ても上品な絵柄に感じられます。

色合はローズピンクの明るい色で、品種は人気のあるブルボン系でしょうか。

西洋バラとしての上品さを感じますよね。

『大人が楽しむ塗絵(ルドゥテの花)』の本では、ルドゥーテの原画を紹介していますが、作品はどれも大変繊細で細密なものです。

ボタニカルアート(植物画)ですが、作品の手法は銅版画による多色刷り印刷で、2世紀前の作品ですが今見てもうっとりする数学的な美しさが感じられます。

ピエール・ジョセフ・ルドゥーテは、精密なバラの絵を数多く描き、マリー・アントワネットに仕えていた植物画の宮廷画家でいくつも本を出していますが、『バラ図譜』は有名です。

日本でも、ルドゥーテの作品展は数多く開催されおり、あるギャラリーで開催した作品展で実際に原画を見たことがありますした。

額縁に入り、壁に展示していたそれぞれの作品に、なぜか小さなルーペがかかっていました。

近くで作品を見ても、なかなか細部まで見分けがつかないくらいに、線の一本一本が繊細過ぎて細くて見えないのです。

ルーペで見て、はじめて線の仕上げ方が分かりました。

正確に言うと、銅版画技法で点刻彫版と言われるもので、線が点で刻まれ表現された点刻で表現されています。

当時の専門の職人の分担作業による大変手間暇のかかる作品ですが、どれも素晴らしい作品で、国内でも何冊もルドゥーテの書籍が紹介されています。

 

それを、今は作品を鑑賞するだけでなく、今度は塗り絵で見本を見て、自分の好きな色に塗って気軽に楽しめるのですから、塗り絵って実は簡単そうで、奥の深いジャンルだなと思ってしまいます。

 

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